DIARY

DIARY 何度も手にしてた。

いつから家にあったのだろう。
きっと母が知らぬ間に洗面台に置いていたのだと思う。
俺のよく覚えているのは、二度目の引越しを終えた後の家の洗面台でいつもこいつを使っていたこと。

何年か前にせっかくだからと思い、東京に持ってきた。
もう何十年と使ってるからか、すぐに洗ってあげないと汚れがすぐに着く。

長いこと俺を見てきてくれたコップ。

まだ何にも夢がない時も、辛かった時も、嬉しかった時も、友達と笑いあっていた時も、とにかく全部これと一緒に歯を磨いていた。

いつの間にか、遠くまで連れ出しちゃったなぁ。
いつも、静かに俺をマイク前に送り出してくれ、静かに家で待っているニクい奴です。

なんだか、少し悩みが晴れてきた。
さて、次の現場へ。